野菜を育てるには、こやし(肥料)が大事です。基本として、堆肥や窒素・燐酸・カリなどがあげられます。

 隣のおじさんと話していたら「鉄肥(てっぴ)が大事」と言われました。
 
 初めて聞く言葉だったので、聞き返すと、鍬(くわ)や草かきなど(鉄でできた)農具で手入れをすることが野菜の大事な肥料になる、ということでした。
 手を入れること、愛情を持って育てることが必要ということと考えました。

 金肥(きんぴ)という言葉もあります。

これは、純金製の鍬や草かきを使うことでは、もちろん、ありません。お金で購入した肥料のことです。
私が子供のころ、昭和30年代にはどこの農家にも家畜として牛が飼われていました。それで、堆肥は自分で作りました。藁(わら)と家畜の排泄物を一緒にして積んで置くと堆肥ができました。窒素・リン酸・カリなどの肥料三要素でどうしても地元ではできないものを買っていました。このお金を出して買う肥料、これが金肥です。

 しかも、この牛に荷車を引かせてものを運んだり、鋤(すき)を引かせて田畑を耕耘(こおうん)していました。今考えると不思議ですが、どこの家のお百姓さんも皆”動物使い”だったのでした。
戻る
A 鉄肥(てっぴ)
 2002年6月11日
次へ
お多福屋
inserted by FC2 system