最近では、私の住んでいる農村地帯でも、トイレが汲み取り式から水洗トイレに変わってきています。我が家でも、数年前に家庭用の合併浄化槽を設置し、トイレを水洗式にしました。
 この浄化槽は、二種類のバクテリア(有酸素バクテリアと無酸素バクテリア)によって有機物を分解し、きれいな水にして川に流すという、仕組みとしては、都市下水道の浄化施設と同じ仕組みの優れものです。

 水洗トイレができてみると、その清潔感や、とりわけ、ウオシュレットでお尻を洗ってもらえるなどなかなか快適です。

 これができる前は汲み取り式でしたので、タンクに入れて畑に播いていました。これはこれで肥料の役割を果たしていました。農村の水洗化の代わりに、いまでは、ほとんどの肥料(化学肥料)を購入してはじめて農業が成り立つことになりました。本来は植物の生育の助けになっていた人間の排泄物は「汚いもの」「不要なもの」として、無理やり分解され、何の役にも立たないものになってしまいました。

 だからといって、この二つの関係を覆すこと(汲み取り式に戻すこと)は、できません。

 でも、本当の意味でのリサイクルを再生するためには、現在の浄化方式に変わる次世代の技術が出てきてもよいのでは、と思うのです。浄化槽に集まった排泄物(有機物)を自然に帰す新しい技術です。
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B 水洗トイレ考
 2002年6月12日
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お多福屋
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